格ゲーに最適な椅子の選び方を本気で考えてみた
テレワークが広まった昨今、ワークチェアの需要が高まっている。
よい椅子を使うことで集中力がアップし仕事の能率も上がることが知られている。
同様に、仕事だけでなくゲームをするときもよい椅子を使って快適にゲームがしたい。
そこで、本記事ではゲーム(主に格闘ゲームを想定)をするときに最適な椅子をどう選べばよいかを考えた。
【格ゲーに最適な椅子の条件】
まず、「よい椅子」とは何だろうか?
よく格闘ゲームのベスト・ゲーミングチェアはゲーセンのアレだと言われることがある。

たしかに使い慣れたデバイスであることは間違いないが、真面目に考えると機能面では最低限のものしかないことが気になる。
(ゲーム目的の)「よい椅子」というのは、ゲームをするときに欲しい機能をできるだけ多く備えていなければならない。
格闘ゲームをするときに欲しい機能は大きく2つある。
1. 疲れにくいこと
長時間ゲームをプレイしていると、身体に負担がかかり疲労が蓄積してしまう。
疲れると集中力が低下しプレイの質が落ちてしまうので、疲れにくいことがゲーム用の椅子に求められる。
後述する座面のクッションやランバーサポートなどが重要な機能になってくる。
2. 休憩しやすいこと
格闘ゲームは試合中極度に緊張するゲームであるため、対戦中以外は力を抜いて体力回復をしたい。
リクライニングやヘッドレストなどが重要になってくる。
これらを踏まえて、具体的にどんな機能が必要かを列挙してみる。
【重視したい機能】
▼座面のクッション
座っているときは当然だがお尻に体重がかかるので、お尻が接する座面のクッション性が高いほど圧力が分散して疲れにくくなる。
柔らかすぎても姿勢が崩れやすくなるので、適度な安定感が必要だ。
座面の素材はウレタン、メッシュなどあるが、ウレタンクッションがおすすめ。
参考: 快適なイスってどんなイス?|コンテンツ|コクヨ ファニチャー
重要度: ★★★
▼ランバーサポート
格ゲーをしている最中にどんな姿勢をしているかは人によって様々だと思うが、実のところ集中しやすい理想的な姿勢というのは決まっている。(※「姿勢 集中力 論文」などで検索すると既存研究が出てくる)
ベストなのは、椅子に深く腰掛けて背筋を直立状態にすることである。
このために必要不可欠なものがランバーサポート(腰当て)で、腰を支えて猫背になるのを防いでくれる。
体格や背骨の形状によってフィットするかどうかが変わるため、できれば調整可能であることが求められる。
普通に腰痛対策にもなるし、ここは特に重視したい。
なお私見だが、格ゲーマーはもともと姿勢がよい人が多い気がする。ゲーセンの椅子で長時間筐体に座っているには姿勢がよくないと辛いので、自然と背筋を伸ばして座るようになった人がいるのではないかと思う。
重要度: ★★★
▼前傾サポート
先の文章では背筋を直立状態にするのがベストだと書いたが、強く集中しているときは自然と身体が前のめりになっていきやすい。
そこで、座面の角度を少し前に傾けることができる前傾サポート機能があるとなおよい。
ただし、この機能は一部の高級ワークチェア以外にはほとんど搭載されていないし、あってもなくても大差はないと思う。
重要度: ★
▼リクライニング
言うまでもないことではあるが、リクライニング機能があれば背もたれに身体を預けてリラックスすることができる。
単に角度を調整できるだけでなく、ゆりかごのように背もたれと座面をゆらゆら揺らすことができるロッキング機能があるとなおよい。
重要度: ★★★
リクライニングと同様にヘッドレストもないと首を休めることができないためほぼ必須だろう。
できれば頭の高さに合わせて調整もできるのが理想的だ。
重要度: ★★★
▼アームレスト
両腕は体重の16%を占めると言われており、アームレスト(肘掛け)があれば肩にかかる負担を減らすことができるほか、肘からも体圧を分散させられるなどのメリットがある。
参考: 肘掛け付きのオフィスチェアが推奨される3つの理由
ただし格闘ゲーム目的に限って、アームレストがアケコン膝置きの邪魔になってしまう場合がある。
アームレストの高さをどこまで調整できるかや、取り外しが可能かもチェックしておきたいポイントだ。
重要度: ★★
オットマン(足置き)は実際のところあまり必要ではなく、個別に買うこともできるし椅子に付属しているものは使い心地がそれほどよくなかったりする。
ただ、あるとあぐらをかいたり仮眠をとりやすくなったりする。
重要度: ★
【実際に座ってみて確かめたいこだわりポイント】
椅子選びは数万円から20万円くらいの買い物になるので失敗したくない。
一番いいのは試座、実際に座って使い心地を確かめてみることである。(家具販売店や、電機店のゲーミングコーナーで試座ができる。)
ここで注意したいポイントがいくつかある。
▼座面や背面を硬いフレームが圧迫しないかどうか
座ってみて身体にゴツゴツとした違和感がないかは要チェックだ。
たとえば座面の外縁部のクッションが弱いと脚を広げたときや折り曲げたときに硬い部分がぶつかってしまうし、背面が十分広くないと肩や二の腕がフレームに圧迫されてゆっくり背中を預けることができない。
短時間座るだけだと気にならないかもしれないが、長時間使う場合の大きな落とし穴となりがちなポイントだ。
▼アームレストをどこまで調整できるか
前述の通りアケコンを膝置きして格ゲーをやるときはアームレストが邪魔になる可能性があるので、高さをどこまで下げられるかは見ておきたい。
うまく調整できればアケコンを使っているとき肘の位置を固定して逆に操作の安定感を高めることもできるかもしれない。
▼ランバーサポートはフィットするか
繰り返し書くがランバーサポートは重視したい。
自分の身体にフィットしなかったり、単純にサポートとして不十分だったりすると最悪腰痛になるので。
【ぶっちゃけおすすめの商品は?】
ここまでよい椅子の条件を考えてきたが、実のところこれらをすべて満たす完璧な椅子というものは既存の商品にはなさそうだった。
なので「これを買っておけば間違いない」という商品はなく、個々人で重視するポイントを取捨選択してどれを買うかを選ぶ必要がある。
その上で、筆者が調べたり実際に座ったりした椅子についていくつか短く感想を述べてみる。
(感想はあくまで個人のものであるため、参考にしすぎないでください)
▼DXRacer, AKRaceing, Bauhutte, noblechairs など
いわゆるゲーミングチェアには一通り試座してみたが、正直なところあまり求める条件には合致しなかった。
ゲーミングチェアはレース用カーシートを元にデザインされているわけだが、この形状のシートは身体を完全にシートに預けるように想定されており、そもそも「椅子に深く腰掛けて背筋を直立状態にする」ようにはできていない。
シートにもたれてリラックスしながらゲームをするならよいが、格ゲーのように集中して前傾姿勢になりがちなゲームをする上では機能が十分活かされず、ランバーサポートの貧弱さだけが目立ってしまう。
高級チェアの代表格である「アーロンチェア」だが、さすがの高級感はあるもののヘッドレストがなく、また座面がメッシュであるため外縁部の硬いフレームが気になってしまう。
また最近ロジクールGとのコラボでゲーミングチェアとして「エンボディチェア」のカスタム版が発売されたがこちらもヘッドレストがない。
オカムラの製品は全般的にランバーサポートが薄い。
また他のブランドと比べてわかりやすい長所があまりない。
▼リープチェア(Steelcase)
ランバーサポートのフィット感がよく、アームレストを邪魔にならない位置まで下げられるところが気に入ったが、ヘッドレストがなかった。
▼エルゴヒューマン(関家具)
座面がメッシュであること以外は前述した条件をすべて満たしており、特にランバーサポートのクッション性が抜群。
筆者はこれ(エルゴヒューマンプロオットマン付き)を購入した。
アームレストはそこまで下げられないので人によってはアケコン膝置き時に邪魔と感じるかもしれない。
▼WINcase(関家具)
エルゴヒューマンと同じ関家具発のゲーミングチェア。
ゲーム向けの機能を多数備えており細かいところでは最も優れていると感じる点も複数あったが、ランバーサポート(スパインサポート)がゴツゴツしていてイマイチだったのが欠点。
▼ing(コクヨ)
座面が360度自由に動くというまったく異色の一体感を感じられる椅子。
面白いがふにゃふにゃ動くことが本当にいいのか悪いのか判断が難しかったのとランバーサポートが物足りなかった。
特徴については上の名前で検索してみてほしい。
これらもかなり「面白い」椅子だった。
▼150-SNCM007(サンワダイレクト)
筆者が密かに大注目していたチェア。リンクは下記。
カタログスペックで見ると上に挙げた機能を前傾サポート以外すべて満たしている上に、アームレストは取り外し可能という格ゲーマーに理想的な椅子。しかも低価格。
筆者はこちらが欠品している間にエルゴヒューマンの中古が売りに出ているのを見つけたのでそちらを買ったが、タイミングが合えばこちらを購入していただろう。
試座できるところがなさそうなので使い心地がいいかどうかはギャンブルになることだけネック。
【最後に3行でまとめ】
・ランバーサポートを重視しろ
・ゲームするならゲーミングチェア、というわけでもない
・サンワダイレクトの「SNCM007」を誰か試して感想教えてくれ